2005年02月06日
原発が大地震に襲われたとき僕が心配していることランキング
第2位 燃料棒
第3位 圧力容器のスカート
第4位 原子炉の建物とタービン・発電機の建物とを結ぶ配管の破断
第5位 停電(原発は電気で動いているのだ!)
第6位 津波の“引き”による取水困難
(第1位から3位までは沸騰水型原子炉に関してです。追記2/9)
もちろん僕はシロウトです。でもいままでいろいろなものを読んだり、原発のエンジニアの方の話を聞いた上で判断すると、こんな感じになります。
専門家や別のシロウトの方が考えると違う結果になるかもしれません。
再循環ポンプというのは沸騰水型原子炉に特有の機構で、原子炉内の水をかき混ぜて出力の制御をするものです。
このポンプは1基50トン以上あるのですが、配管といっしょに圧力容器にぶら下がっています。当然地震の揺れで揺さぶられる状態になります。かなりの力が働くと思います。限界を超えると破断します。
破断、あるいは裂けて冷却水が漏れると、原子炉内の水位が下がり、冷却ができなくなり、メルトダウンにつながります。太い管ですのでそこから漏れる水は緊急冷却装置の冷却水では補えないでしょう。
再循環ポンプは、いかにも地震の無い国で設計された技術だと思います。
最近営業運転を開始した浜岡5号はABWR(改良型沸騰水型原子炉)ですが、この“改良”がまっ先になされたのはこの再循環ポンプの部分です。
いままではぶら下がっていたモーターとタービンが、今度は炉にくい込んだ一体型となっています。つまり配管が省略されています。
ABWRを日本(日立・東芝)が独自に設計したということは、BWRの再循環ポンプが地震に弱いということをとてもよく知っているのです。
燃料棒は、しっかり固定されていると思われるでしょうが、上部は固定されていません。
ちょうど“試験管立て”あるいは“傘立て”を想像していただけばいいでしょうか。
下部は穴に突っ込んである状態。水の中に沈んでいるだけなのです。
もし、直下型地震で、揺れが下から突き上げてきたら燃料棒は舞い上がり、穴から外れてしまいます。きちんと整列していた燃料棒が乱れてしまう。
すると、核反応を止める唯一の手段である制御棒が(下から燃料棒のわずかな隙間にするすると挿入されるのですが)入らなくなる危険があります。
制御棒は緊急時は約4秒で挿入を完了しますが、そのとき乱れた燃料棒を破壊するかもしれません。
制御棒が挿入できない状態になれば、その炉はどうやっても止めることができなくなります。
圧力容器の“スカート”とは、原発設計上の専門用語だそうですが、圧力容器を置いている鋼鉄の円筒のことです。
原発エンジニアの方の話では、これが非常に薄いのだそうです。施工前のスカートを見たとき「こんなもので耐えられるのか???」という疑念を持ったそうです。
ここでも地震の無い国の設計を踏襲しているのです。
直下型で下からドスンと突き上げる振動にやられたら簡単に潰れてしまいそうな鋼鉄の厚さだということです。
これが潰れたら圧力容器は尻餅をつき、横に繋がっている配管のほとんどが破断するでしょう。
他にも地震で弱いところは幾つも考えられますが、重要なことは、これまでの事故などと違い、原発が地震に襲われた場合というのは、同時多発破壊なのです。
ただでさえ原発には、そこがやられたらすべてやられる、という箇所がたくさんあるのです。耐震の想定などとうてい不可能です。
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100%安全です、と言っていた中部電力が1月28日に発表した「浜岡原発耐震裕度向上工事」の対象箇所は
・ 屋外原子炉機器冷却設備の改造(1〜5号機 )
・ 排気筒の改造(1〜5号機 )
・ 屋外油タンクの追加設置(1〜5号機 )
・ 屋内機器の基礎部の改造(1・2号機 )
・ 屋内配管のサポートの追加設置(1・2号機 )
この5点です。少なくとも3・4号機の原子炉内部については手つかずです。
「配管のサポート追加」というのがありますが、配管というのは温度による収縮があるので完全には支えられないのです。
サポートを最小限にし、たくさんのエルボ(曲がり部分)を設けて、この収縮に対応しています。
肝心要の圧力容器も稼働すると温度で数センチ背が伸びるそうです。従って圧力容器さえも完全には支えていません。原発内の高温の蒸気が流れる箇所はすべてこの温度収縮を考慮しなくてはいけないので完全に固定することはできないのです。
再循環ポンプを床に設置せず、ぶら下げざるを得ないのもその関係です。
原子炉の耐震に関しては、地盤が脆弱であってもどんなに堅い岩盤であっても、たとえ建物の壁の厚さが何メートルあろうとも、中身がこんなことですから、実はあまり関係ないのです。
むしろ柔らかい土地の方が振動が吸収されていいのかもしれない、と言えなくもないでしょう。(これは極論だし、また別な問題がありますが)
これまで中部電力は地盤の脆弱さを隠すために原発が砂丘に囲まれていることをあまり表に出していなかったのですが、津波の問題になると「砂丘があるから大丈夫」とコメントしていました。
ですから今度は「(地盤の)軟岩がクッションになる」なんてことを言い出しかねないような気もします。
原発の立地地盤が「強固な岩盤」であるとは言っていますが、それが地質学上軟岩であることは中電はすでに表明しています。
いずれにしろ数百億円を投じて「浜岡原発耐震裕度向上工事」を行うということを言い出した中部電力は、国に「助けてくれ」と密かなSOSを発信しているのではないでしょうか。
中電はこの耐震補強の説明を拒否しています。「一事業者の経営判断であり、説明するような技術的内容もない」などと釈明。「技術的内容もない」とは何とも正直な。。。
中電は、国策である原発を、会社の判断だけでは止めることはできません。止めたいとも言えないのでしょう。
私たちがすることは、マスコミも含めたこの硬直した構造を一刻も早く解きほぐすことではないでしょうか。
署名はひとりひとりができるそのもっとも有効な手段のひとつだと考えています。


