2005年11月26日
原子力ミニコラム 第26回
2005年8月16日の宮城県沖で発生した地震により女川原発全3基が停止した。
今回東北電力から2号機に関して耐震安全性の詳細評価の報告があった。
報告はきわめて難解でわかりにくいもの(わざと)だったが、結論としては、
「これまでも、これからもずっと大丈夫」というものだった。
これまでの想定を超えた揺れの加速度についても、今回の地震の個性によるものと断定している。
そして、これから来る地震の特性もすべて想定できることになっており、それを基に調べたら「安全だった」という。
この、あまりにひどい報告に対して、新聞はそうとう内容に対して踏み込んだと思われる。
朝日新聞では、主要施設にひびや変形が生じる。でも大丈夫。ということになっている。
いったい何が大丈夫なのか?。
「原子炉配管被害もありうる」と見出し入りの記事を書いたのは読売だった。
これは大変なことなのだ。新聞はせめてこのくらいはやってほしい。
ぼくは今回の女川原発を止めた地震が、原発に対する自然界からの最後の警告だと思っている。
■トラックバックを送信させていただきました。
http://spring.livedoor.biz/archives/50230515.html
宮城県沖で発生が想定されているマグニチュード(M)8クラスの地震が起きた場合、東北電力女川原子力発電所(同県女川町、石巻市)で、原発の主蒸気配管などに変形被害が発生する可能性のあることが、同社の調査で分かった。
同社は「放射能漏れなどの事故に至るほどの損傷は起きない」として25日、経済産業省原子力安全・保安院に報告、耐震補強をせずに運転再開を目指す方針だ。運転再開の是非をめぐり、保安院の判断が注目される。
女川原発では、8月に宮城県沖でM7・2の地震が起きた際、同原発での揺れが、設計時の想定地震による揺れを上回った。その原因を同社が調べたところ、宮城県沖のプレート(岩板)境界で起きる地震は、短い周期の揺れが大きくなりやすく、設計時の想定が甘すぎたことが判明した。
このため、同社は、この震源域の特性を加味して、同原発2号機の建物や機器の耐震性を改めて分析した。その結果、国の地震調査委員会が宮城県沖で想定している数種類の地震のうち、M7級の地震の場合は被害が生じないが、二つの震源域が同時に活動するM8級の「連動型」が起きた場合、原子炉圧力容器や主蒸気配管などが変形する可能性のあることが分かった。
国の耐震指針では、過去に発生記録があり、今後も発生が想定される地震に対しては、機器の変形などが起きてはならないことになっている。宮城県沖の「連動型」地震は、1793年に発生、M8・2程度だったとみられている。
(2005年11月25日22時45分 読売新聞)
朝日新聞
女川原発、最大想定の地震でも安全 東北電力の報告書
2005年11月26日00時04分
東北電力の女川原発(宮城県女川町、石巻市)で、8月16日の地震の際に耐震設計上の最大想定を上回る揺れが検出された問題で、東北電力は25日、政府が宮城県沖で最大と想定するマグニチュード(M)8級の地震が起きても、2号機は安全と確認されたとする報告書を経済産業省原子力安全・保安院に提出した。
揺れの一部が想定を上回ったのは、このときの地震が短い周期の揺れが強い、珍しいタイプだったためとしており、「耐震設計の見直しや補強工事の必要はない」と結論づけた。
保安院は29日に専門委員会を開いて妥当性を評価する。国が見直しを進める原発の耐震基準のあり方に一石を投じることになりそうだ。
東北電力によると、政府の地震調査委員会が想定した宮城県沖地震をもとに、二つの手法で分析用の地震動を設定した。これらが起きた場合の原発の揺れを計算すると、施設にひび割れは生じないという結果が出た。
さらに、宮城県沖で発生する最大のプレート境界地震(M8.2)を考慮して新たに「安全確認地震動」を作って計算したところ、原子炉圧力容器など主要施設にひびや変形が生じるものの、施設の機能は維持されることが確認された。
今回の地震を、過去の地震データと比べたところ、0.1秒より小さい周期で特に揺れが大きい、珍しいタイプだったこともわかったという。
従来の耐震指針では、「現実的でないほど強い」と考えられる限界地震を設定し、その最大加速度などを耐震設計の目安の一つとしている。女川原発で想定したこの数値は375ガル(ガルは加速度の単位)。今回新たに設けた安全確認地震動では、最大加速度は580ガルを想定した。
東北電力は、運転停止中の1、3号機についても同じ方法で安全性を確認する方針。「新たな知見を盛り込んだ評価法で安全性が確認されたので、国の検討会で妥当性を説明し、地元の理解を得た上で早期の運転再開を目指す」としている。
東北電力 プレスリリース
http://www.tohoku-epco.co.jp/whats/news/2005/51125a1.htm



