2005年11月27日
原子力ミニコラム 第27回
女川原発2号の耐震報告に関して、昨日ただ一紙、読売新聞は「配管被害もありうる」と書いていた。
今日になって読売はこの問題を社説で取り上げた。昨日の記事の内容には一切触れず、
巨大地震が起きても、原子力発電所の安全性にいたずらに不安を抱く必要はない、ということだろう。
という書き出しで始まる。読売社説ってすごいな。
社説の内容はここでどうのこうの言うに値しないが、他紙の箸にも棒にも引っかからない社説よりこういうところの方が本質的な問題を社会にポロリと露呈させたりするから頼もしい。
浜岡原発の耐震工事について大新聞の社説で唯一触れてくれたのも読売なのである。
おかげで日本中が原発震災の不安を知ることになった。
今回もそうである。女川の耐震報告なんてほとんどの人が知らなかったのだから!
11月27日付・読売社説(2)
[原発耐震報告]「ゆとりの設計が不安を払拭する」
巨大地震が起きても、原子力発電所の安全性にいたずらに不安を抱く必要はない、ということだろう。
東北電力が、宮城県沖で発生が予想される地震により、女川原子力発電所がどんな影響を受けるかを評価した報告書を、経済産業省原子力安全・保安院に提出した。
女川発電所では、今年8月に起きた地震で原子炉全3基が停止している。この地震では、耐震設計で最大と想定していた以上の揺れも観測され、地震列島での原子力利用に不安の声も出ていた。
今回の報告書は、取りあえず、2号機に関する評価だが、こうした不安を払拭(ふっしょく)する内容になっている。
原子炉は、8月の地震の際、揺れを感知して自動停止した。その後の点検で、構造物や機器に異常はなかった。実際の揺れに基づく計算でも、ひびなどが生じるほどの力は加わっていなかった。
8月の地震より規模が大きく、近い将来の発生が予想されている宮城県沖地震と、それを8倍も上回るマグニチュード8・2程度の地震を想定しても、2号機は持ちこたえる、という。
報告書には詳細なデータも示されている。保安院は、この内容を的確に確認して、問題がなければ速やかに運転再開を認めるべきだ。それと同時に、東北電力は、1、3号機についても、しっかりとした評価を急がねばならない。
揺れが設計の想定を上回ったことについて報告書は、宮城県沖で起きる地震には地域的な特性があるとした。この地域の地震研究が進み、設計時に使ったデータと評価法では、実際の揺れを見積もれないことを認める結果となった。
日本列島の地下では、岩板や地層などが複雑に入り組んでいる。地震は自然現象だけに、規模や実際の揺れを完全に予測することはできない。だからこそ、最新のデータに基づいて、考え得る限りの揺れを想定することが大切になる。
設計や建設では、予測不可能な部分を見込み、余裕を確保しておくことも欠かせない。国内の原子力発電所は、こうした考え方に基づいて建設されている。今回は、その手法が有効だった。
ただ、耐震設計の大本となる原子力安全委員会の指針では、どれだけ余裕を取っておくべきか、数値も評価方法も示されていない。これでは分かりにくい。
国際的には、この余裕を数値で示して評価することが一般的だ。
原子力安全委員会も4年前から指針の見直し作業をしているが、専門家間で主張が対立し、いまだに結論が出ない。早急に指針を強化する必要がある。



