2006年01月01日
原子力ミニコラム 第62回
ゴヤの描いた“我が子を喰らうサトュルヌス”は、資本主義経済のすがたである。
これは人間が産み出した怪物だが、すでに人間から自立し、自律している。
にもかかわらず、こいつは人間なのである。悪いヤツではない。よく視ると少し悲しげな目をしている。
だから悪気があって喰っているのではない。とにかく腹が減って腹が減ってしょうがないヤツなのである。
こいつを手なずけるのは至難の業だろう。しかし、とりあえずこいつの姿を見定めることから始めなくてはいけない。
恥ずかしがり屋なのだろうか、「腹が減った」とははっきりと言わないのである。
でもときどき我慢できなくなると、正当性などをふりかざして、公衆の面前で一気に食べちゃう。
見えないところに毒餌を撒いて、こっそりといただいてしまうこともある。
事故という罠を仕掛けて、がっぽりとむさぼってしまうこともある。
多くの人間がいなくなったとき、それはこのサトュルヌスの仕業と考えて100%間違いない。



