2008年04月01日
ド=ヌンク 「血の沼」 (1891)
ド=ヌンクは、ぼくが好きな画家の中ではもっとも作品をみる機会の少ない画家です。
ベルギーの絵画、とりわけサンボリストたちが特集された場合などにまれに見ることができる、というような画家です。
ですからそんなド=ヌンクの作品が「文藝春秋」に折り込みで掲載されているのを見つけたときは少し驚きました。1999年の9月号だったと思います。それがこれです。
「血の沼」というと気持ちが悪い印象をもたれた方が多いかもしれません。血の沼、の意味はわかりません。
そんなことより、木々の背後に立ちこめるこの朝未だきの空気の色こそ、ヌンクが終生描き続けた情景でした。そしてぼくらはそれにたまらなく惹かれるのです。
「血の沼」に物語を読む努力は徒労というものでしょう。どうせヌンクの絵には光のふりそそぐ朝は永遠にやって来ないのですから。
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