ダンディズムについて

2008年04月13日

映画「ウリハッキョ」

映画「ウリハッキョ」を観てきました。

映画「ウリハッキョ」

これは札幌にある北海道朝鮮初中高級学校に韓国の作者が3年5ヶ月に亘り、生徒たちの生活を映像でつづったドキュメンタリー映画です。北海道に朝鮮学校は一校しかありませんから、大部分の生徒は寄宿舎生活です。作者はそこにいっしょに住み込んだのだそうです。カメラが生徒たちの生活空間にすっかりとけ込んでいるのが観る者を心地よくさせます。いい映画です、興味のある人はぜひ足を運んでみてください。

ところで、この映画を観てぼくは以前から感じていたことがはっきりしました。

それは、日本の教育基本法に最も忠実なのは、実は朝鮮学校ではないか、ということです。

旧教育基本法の核となる理念は、教育への国家権力の介入を阻止し、自分たちの子供は自分たちで育てる、ということでした。

朝鮮学校は戦後から現在に至るまで、日本の政治・警察権力の度重なる弾圧や、ナショナリストによる悪質な嫌がらせに耐え、それを実践してきました。ウリハッキョ(=私たちの学校)を守ってきたのです。

一方、旧教育基本法は「教育現場の荒廃」の元凶であるかのように罪の濡れ衣を着せられ、2年前に強引に改訂させられ、新たに「愛国心」が持ち込まれました。しかしそれこそ朝鮮学校が筆頭に掲げている教育理念です。

これほど日本の教育基本法、それも旧・新にわたって忠実に実践し、実現してきた教育機関がほかにあるでしょうか。

日本政府や文科省は、教育機関の鏡として、朝鮮学校を表彰しなくてはいけないのではないでしょうか。

この映画は4/12(土)から25(金)まで、京急黄金町のシネマ・ジャック&ベティでやっています。

黄金町。久しぶりに降り立ちましたが、相変わらずいろんな意味で風情のある町でした。


senza_fine at 23:14|この記事のURLTrackBack(0)

2007年11月30日

朝鮮学校の「交流会」に行って来た

11月24日,神奈川朝鮮学校の「交流会」に今年も行ってきました。いつもそのことはこのブログに書いていましたが,今回はJanJanに書きました。

http://www.news.janjan.jp/area/0711/0711266303/1.php

中国語訳
http://www.china.janjan.jp/japan/0711/0711280296/1.php

記事の最後のほうに「28年前、その交流の糸口を探り合おうという思いで彼らが始めた『はじめの一歩』が、この『交流会』だった。」と書きました。

この「はじめの一歩」という言葉は,昨年の交流会で彼らが日本の高校生と一緒に演じた劇のタイトル「これがぼくらのはじめの一歩」から頂きました。

関連拙記事
朝鮮・日本交流会に行って来ました
http://senzafine.livedoor.biz/archives/50598939.html
「いじめ」は日本の全身病
http://senzafine.livedoor.biz/archives/50606965.html
警告!思想的持病の発作が始まる
http://senzafine.livedoor.biz/archives/50500854.html
チョゴリ・ショー、そして9条Cafe
http://senzafine.livedoor.biz/archives/50179075.html
senza_fine at 21:15|この記事のURLTrackBack(0)

2007年04月15日

四百年前の『韓流』

東京新聞の15日の社説は週のはじめに考える 四百年前の『韓流』

品川の東海道沿いに住んでいると<朝鮮通信使が始まって今年で400年>という話題は,けっこう身近ですよ。

社説にもあるように,確かに,学校で朝鮮通信使についてちゃんと学んだ記憶がありません。なぜこんな大切なことを教えないのか?バカですねー。

神奈川の朝鮮通信使の足跡については『神奈川のなかの朝鮮―歩いて知る朝鮮と日本の歴史』という本にわりと詳しく書いてありました。

それにしてもいい社説書きますね〜,東京新聞!日曜の社説は「です・ます体」です。以前からそうでしたっけ?

昨日14日の「筆洗」は燃えていました。この怒り!どうにかまだ日本のジャーナリズムは生きている,と思うことができます。

senza_fine at 23:46|この記事のURLTrackBack(1)

2007年04月12日

9条が米の属国化防ぐ

※タイトル変えました。

岸田秀のいわゆる幻想論は眉唾ものだと思いますが,「日本精神分析」という論文はとても面白いし,説得力を持っていると思います。

東京新聞【試される憲法】シリーズに岸田氏が「9条が米の属国化防ぐ」というタイトルで寄稿しています。ここでも「日本精神分析」の論旨が顔を覗かせています。

「国民が本当に自分たちの憲法として守るという意識を持つためには、自分たちの手でつくることが必要です。」というのは心理学的には正しいのかもしれませんが,いささか疑問です。結果として今の憲法を60年以上変えずに来たのは「押しつけられた」もの,だったからかもしれません。そう言っていたのは,同じタイトルの本を出した柄谷行人でした。(本当に「押しつけ」だったかは史実を巡った論争があります。)

ところで,いざというとき戦争ができる権利をもっていることが「国家主権」だと,今の世界の多くでは考えられています。改憲派の人は,したがって「9条」の存在,そしてアメリカにそれを「押しつけられた」ことを「虚勢」されたように捉えているようです。

おなじみの「軍隊をもって普通の国家になろう」というのは,去勢された主権を取り戻せという主張です。

しかしながら今の日本にはアメリカに“No”を言える力は「9条」にしか残っていません。

「戦争の放棄」という「主権の放棄」が唯一の主権となっています。

このジレンマはますます切実となり,政府や改憲派を苦しめることになるでしょう。

最近の世論調査では「9条改正」派が減少しつつあります。国民は徐々にこのことに気づき始めているのです。

天木直人さんは,護憲派は高見の見物をしていればよい,と,いつか表現していました。

ただの「見物」は不健康です。自分が正しいと考えたことを,いちいち述べてゆくことが大切だと思います。
senza_fine at 12:33|この記事のURLTrackBack(0)

2007年04月10日

731部隊元隊員が証言「従軍慰安婦を生体解剖したこともあった」

読売新聞!(ただし中部版)が「病原体の生体実験 毎日2〜3人解剖」という記事を出しています。8日に大阪市で開かれた国際シンポジウム「戦争と医の倫理」に出席した旧日本陸軍731部隊の衛生兵だった三重県尾鷲市の大川福松さん(88)が証言したということです。

731部隊元隊員証言僕は生体解剖に立ち会った人の証言フィルムを観たことがありますが,解剖の後はまるで禽獣が死体を食べ尽くしたあとのようだった,という言葉が頭にこびりついています。


人体解剖をやっていたのは中国の731だけではありません。
2006年10月19日の毎日新聞には,フィリピン・ミンダナオ島でも生体解剖が行われていたことを当事者が証言がしている記事がありました。
人体解剖 フィリピンでも

senza_fine at 18:12|この記事のURLTrackBack(1)

2007年04月05日

いまこそ川端康成を論じるとき

朝鮮日報に「村上春樹の文学は日本の過去に免罪符を与えようとしている」という小森陽一が高麗大で行った演説についての記事が出ていました。

村上春樹の文学は日本の過去に免罪符を与えようとしている
http://www.chosunonline.com/app/ArticleView.do?id=20070402000055

僕はこれを読んで川端康成のことを思い出しました。

侵略戦争をめぐる記憶を想起させるエピソードを数多く登場させているものの、わずかな間だけそれを読者に想起させ、“すべてのことは仕方のないことだった”という風に容認した後、記憶自体をなくしてしまう。

これは川端康成の文学が戦後,機能してきたことではないでしょうか。

アベシンゾーが言う「美しい国」と,川端康成の「美しい日本(の私)」という概念は,侵略戦争の「忘却装置」であり「幻覚剤」であるという点では同じだと思います。

ただ,アベの「美しい国」はあまりにもバカバカしいので,川端康成と並べるのが憚れるような気がするだけです。

僕は文芸誌などまめに読みませんが,アベが「美しい国へ」などと言い出してから,誰か川端康成についてきちんと論じたでしょうか?

小森陽一は三流の村上春樹なんて相手にしていないで,川端を正面から斬ればよいのです。
senza_fine at 17:39|この記事のURLTrackBack(0)

2007年02月08日

対米コンプレックスの諸相 3

またまた「きっこのブログ(日記)」に話が及びますが,「愛の常識、非常識」では最初はMAXのことが書いてあったのでとばし読みしていたら,次第に「愛国心」の話になって,最後はこれをフォルテッシモでぶちまけていました。

最後の段落については僕もまったく同感であります。

しかしながら,これまでずっと読んできましたが,きっこさんの「愛国」的な発言には,いつもレイシズムがひそんでいるように思えるのが僕は気になっていました。(今回ではなく,これまでのことです。)

このような傾向は,きっこさんのような文才・才気あふれる女性にありがちな覚えがあるのですが,それは僕だけでしょうか?

先日も「ヒトラー 〜最期の12日間〜」について書いておいででした。ヒトラー=安倍晋三という文脈はもっともです。しかし,ナチズム問題の本質は,レイシズムなのです。

今後,きっこさんの言う「本当の愛国心」が一斉に共感を得られてゆくと思います。僕はそれを歓迎します。

しかし,「愛国心」を思うとき片時も忘れてはいけないのがレイシズムのことであり,自国を愛するように隣国をも愛せよ,ということです。

隣国の筆頭には朝鮮民主主義人民共和国があげられるべきでしょう。

日本の持病である,朝鮮差別。これこそ対米(欧米)コンプレックスそのものなのです。

強いヤツにいじめられたから弱いヤツをいじめて「自己」を保つ,これが明治(ペリー来航)以降日本人に確立した精神構造ではないでしょうか。(現実に朝鮮が弱いわけではない)

「美しい国」になるにはこのような自国の醜さをまず知るべきであり,その中心が「朝鮮差別」だと思います。

そんな醜い国日本の,はらわたの煮えくりかえる事件。これはポグロムですよ。

滋賀朝鮮初級学校への大阪府警の強制捜索
http://www5d.biglobe.ne.jp/~mingakko/sasaerukai070128top.htm
senza_fine at 23:29|この記事のURLTrackBack(0)

2007年02月07日

対米コンプレックスの諸相 2

きっこの日記はいつも読んでいますが,今日も,青森ではメイド・イン・ニポンの核兵器を作ろうとしてる,と書いていました。

“メイド・イン・ニポン”というのは実に含蓄のある表現で,「使う」のはアメリカかもしれないのです。僕はそうだと確信しています。

日本はアメリカの核兵器原料の供給国になるのです。最もキケンオセンの伴うプロセスを押しつけられるのです。

日本は「もんじゅ」や「常陽」などの高速炉の技術を持っています。これはアメリカが一番欲しがっている小型戦術核(=使える核)の原料である超高純度プルトニウムを生産するための原子炉です。

アメリカは人体実験を繰り返しプルトニウムのキケンを最もよく知っているからでしょうか,自国ではあんまりプルトニウムを生産しません。かつてはイギリスに製造させていました。イギリスはその見返りに水爆の原料をアメリカから買っていました。

その結果イギリス周辺は世界でもっとも放射能で汚れた海になりました。

次は日本です。小林クン,もしこれがホントだったらどうする?
senza_fine at 23:24|この記事のURLTrackBack(0)

2007年02月06日

9条放棄で日本はアメリカのもの

マンガ家の小林よしのり氏は最近の作品で,「憲法改正」が,日本が「自主独立」ではなく,アメリカに追従し,日米同盟の強化・米国の属国化を進めるものならば,自分は憲法改正に反対の立場に回らねばならない,と書いていたそうですが,

いまさら何いってんの???

と言いたいです。
僕は彼の作品は読んだことがありませんが,いままで彼はいったい何を考えてきたのでしょう?

でも,違うんです,「改憲」によって9条を放棄したら,それは米国の属国化が進む,のではなく,完成する,のです。

自主独立だなんて,いまさら何を言ってるの?

もう「9条」しか残っていないんだって!
senza_fine at 23:26|この記事のURLTrackBack(0)

2007年02月04日

対米コンプレックスの諸相−1

神奈川でも「日の丸・君が代」の強制が進行しつつあるようです。

僕は,「愛国教育」それ自体の「良い/悪い」はどうでもよいです。

ただ,これまでさんざんアメリカにすり寄って甘い汁を吸ってきた私たち大人が,今さら子どもたちに「国を愛せ」という資格を持っているとは思えないのです。

今の日本における「愛国教育」とは,喪くしてしまった(ような気がする)理想自己を,子どもたちに投射することだと思います。

子どもたちは,存在しないものを愛さなくてはなりません。これはようするに「宗教教育」なのです。

そこに再びあの“空虚な中心”が御降臨あそばすかもしれません。

※※※

抑圧された反米意識=対米コンプレックスについて,思いついたことを気儘に書いていきたいと思います。

これこそが日本のガンである,と考えています。
senza_fine at 15:54|この記事のURLTrackBack(0)
カテゴリー
月別アーカイヴ
最新記事
Thank You, TB
コメントありがとう
地方新聞の重箱

道北日報 士別市
名寄新聞 名寄市
留萌新聞
留萌市  
オホーツク新聞 紋別市  
北海民友新聞 紋別市
ななかまど新聞 石狩市  
北海道新聞社
札幌市  
札幌タイムス 札幌市  
室蘭民報 室蘭市
苫小牧民報社
苫小牧市  
十勝毎日新聞 帯広市  
くしろ新聞社 釧路市  
函館新聞社 函館市  
東奥日報社 青森市  
陸奥新報社 弘前市  
デイリー東北新聞社 八戸市  
秋田魁新報社 秋田市  
北羽新報 能代市  
秋田県南日々新聞 大曲市  
あきた北新聞社 大館市  
北鹿新聞社 大館市  
岩手日報社 盛岡市
盛岡タイムス 盛岡市 
岩手日日新聞社 一関市  
東海新報社 大船渡市  
胆江日日新聞社 水沢市  
山形新聞社 山形市  
河北新報社 仙台市  
福島民報社 福島市  
福島民友新聞 福島市  
夕刊いわき民報 いわき市  
柏崎日報社 柏崎市  
新潟日報社 新潟市  
北日本新聞社 富山市  
富山新聞社 富山市  
北國新聞社 金沢市  
北陸中日新聞 福井市  
日刊県民福井 福井市  
福井新聞社 福井市  
下野新聞社 宇都宮市  
桐生タイムス 桐生市  
上毛新聞社 前橋市  
群馬経済新聞 前橋市  
常陽新聞 土浦市  
茨城新聞社 水戸市  
埼玉新聞社 さいたま市  
日刊文化新聞 飯能市  
千葉日報社 千葉市  
房日新聞社 館山市  
小笠原新聞 小笠原村  
南海タイムス 八丈町  
神奈川新聞社 横浜市  
日刊相模経済新聞 相模原市  
山梨日日新聞社 甲府市  
信濃毎日新聞社 長野市  
南信州新聞 飯田市  
市民タイムス 松本市  
長野日報 諏訪市  
静岡新聞社 静岡市  
中部経済新聞社 名古屋市  
とうめい新聞社 瀬戸市  
中日新聞社 名古屋市  
岐阜新聞社 岐阜市  
伊勢新聞社 津市  
奈良新聞 奈良市  
滋賀報知新聞 大津市  
京都新聞社 京都市  
両丹日日新聞社 福知山市  
大阪新聞 大阪市  
大阪日日新聞 大阪市  
紀伊民報社 田辺市  
紀州新聞 御坊市  
南紀州新聞 新宮・勝浦市  
神戸新聞社 神戸市  
岡山日日新聞 岡山市  
山陽新聞社 岡山市  
中国新聞社 広島市  
新日本海新聞 鳥取市  
山陰中央新報社 松江市  
島根日日新聞 出雲市  
防長新聞 岩国市
大陽新聞 福山市
日刊周南新聞 周南市  
防府日報 防府市  
ウベニチ新聞社 宇部市  
宇部時報社 宇部市
長周新聞 下関市
山口新聞 下関市
四国新聞社 高松市  
徳島新聞社 徳島市  
高知新聞社 高知市  
愛媛新聞社 松山市
西日本新聞 福岡市  
有明新報社 大牟田市  
大分合同新聞社 大分市  
佐賀新聞社 佐賀市  
長崎新聞社 長崎市
壱岐日々新聞 壱岐市  
熊本日日新聞社 熊本市  
宮崎日日新聞社 宮崎市  
南日本新聞社 鹿児島市  
人吉新聞 人吉市  
南海日日新聞 名瀬市  
沖縄タイムス社 那覇市  
琉球新報社 那覇市  
宮古毎日新聞社 平良市
八重山毎日新聞社 石垣市

Profile
Nobuo Kasai
n_kasai@tc5.so-net.ne.jp
1970年生まれ
東京在住
記事に関してお気づきの点がございましたら,メールをいただけると幸いです。ただしお返事には時間がかかることがあります。
 
senza fine とはイタリア語で,without end という意味です。ジャック・リヴェットの映画「恋ごころ」で流れてくるペギー・リーの歌のタイトルでもあります。ここで聴けますよ。